翌日――
私は頭の中を整理する事も出来ないまま、いつも通り出勤した。
パソコンの電源を入れ、仕事の準備をしていると、森田課長が出勤して来た。
「おはよう」
「お、おはようございます…」
ユーザー重視の姿勢を全面に押し出した仕事振りに、私は心から尊敬してきた…
それなのに、先頭に立って不正を実行してきたなんて。
それから始業時間が近付くにつれ、次々と出勤してくるスタッフ…
この人達が全員、その不正に加担していると思うと、やるせない気持ちで胸が一杯になった。
私の選択は2つ。
1つは、ユーザーの事は考えず、会社の利益だけを考え不正に加担する。
もう1つは、会社を辞めてしまうか…
もう溜め息すら出ない。
仕方なく、私は日常業務を開始した。
掲示板の書き込み、特にサイトの運営側に対する不満は、最近減ってきている様な気がする。
私はユーザーが理解してくれ始めたと思っていた。でもそれは、ユーザーが離れているという事だと気付いた…
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