黒猫*溺愛シンドローム~Plus~





うっわぁ…

間近で見ると、ホントに可愛い。



身長はくるみと同じくらいかな?

ちっちゃいし細いし…



瞳を潤ませて、微かに肩を震わせて。

怯えるような姿は、まるでウサギみたいだ。


……って、

もしかして、私のこと恐がってる?


じーっと見すぎたせい?


いや、でも、
向こうもじーっと見てるよ?私のこと…



「さぁ、2人とも、教室に戻ろう?」



見つめ合う?私たちを遮ったのは、他でもないキラキラ王子で。



「もうすぐ、次の授業始まるから。」



……え?

ハッとして時計を見れば、確かに、休み時間はあと数分。


これはヤバイ。



「じゃあ、私はお先に…」



さりげなーく、保健室のほうへ歩き出したものの、



「ダメ。風歩ちゃんは、こっち。」



教室のほうへと引き戻されてしまった。

……ちっ。



「ホラ、萌も。自分の教室に…「やだっ」