「高校のときにつき合ってたのは知ってたけど、続いてるとは思わなかった。」
道順が定まったらしく、ようやく足取りが落ち着いた彼女。
再び俺の隣を歩きながら、ぽつりと呟いた。
「とっくに愛想つかされてると思ってたのに…」
「え…?」
「見捨てないでいてくれたことに感謝だよ。
あれだけ破天荒な男とつき合える人なんて、きっと他にはいないから。」
口振りから、彼女自身もよく知ってる人なんだってことがわかった。
まぁ、彼女の性格上、
それなりに親しくなかったら、こうしてわざわざ会いに行ったりしないと思うけどね。
「…ここ、だ。」
しばらく歩いて。
たどり着いたのは、とある一軒家。
住宅街の中にある、近代的なごく普通のお家だった。
「ねえ、風歩ちゃん?俺も一緒で大丈夫なの?」
インターホンに手を伸ばす彼女に一言。
「え?」
「初対面なのに、いきなり家にお邪魔するなんて…失礼じゃない?」
「ああ。大丈夫でしょ。だって…
“連れてきて”って、言ったのは向こうだもん。」

