「えっ?お兄さんって、“彼女”いたの?」
それはびっくりだ。
そりゃ、あんなにいい人だし。カッコイイし。
普通に考えたらおかしくないけど…
「ずっと、世界を放浪してたんだよね?」
3年だっけ?
その間、一度も日本に帰って来てないって言ってたから…
「…“遠距離恋愛”?」
「え?あー、うん。そうなんじゃない?」
興奮気味の俺とは対照的に、素っ気なく答える彼女。
ケータイ片手にきょろきょろと。
目的地を探すのに忙しいみたいだ。
「へー、すごいね。」
素直に感心してしまう。
と言うか、“尊敬”?
だって、俺には絶対に無理だもん。
会えない、とか。離れる、とか…
1日でも寂しいし、たとえ1週間でも耐えられそうにない。
大事なものは、常に手元に置いておきたいって言うか…一番近くにいたいから。
俺がお兄さんの立場だったら…無理矢理彼女を同行しちゃったかも。
「…まさか、まだ続いてるとはねぇ。」

