「だって、風歩ちゃんは俺のものだもん。」
「は?」
「俺も風歩ちゃんのものにならないと不公平でしょ?」
「なっ…」
意味わかんない。
支離滅裂な理屈。
人が勇気を振り絞って、恥を忍んで頑張ったのに、そんなふうに流すなんて…
文句を言ってやろうと口を開きかけた…のに、
「だから、ちゃんと安心させてあげるよ」
悪戯に笑った王子様が、それを塞いでしまった。
「…んっ」
重なった唇。
反射的に目を閉じて、無意識のうちに受け入れている自分がいた。
久しぶりのキス。
与えられる柔らかい感触に、すぐに頭がぼ~っとしてくる。
「……ぁ」
気がついたときには身体の向きが変えられていて…
腰に回された腕に支えられながら、しっかりと抱きしめられていた。
ぴったりと密着する身体。
絶え間なく繰り返される甘いくちづけ。
“キスして抱きしめて”
私の要求をちゃんと満たしてくれたわけだけど…
「ちょっ…待って!」
自然すぎて、思わず流されそうになってしまったけど…
私はハッと我に返った。
「そ…そこまでは求めてないから!」

