「……え?」
聞いた瞬間、目を見開いて王子は固まってしまった。
そりゃ、驚くよね。
言った私もびっくりだよ。
でも…
「今すぐキスして抱きしめて欲しい。そして、安心させてほしい」
「安心…?」
「アンタは私のものだ、って。私だけの…」
ずっと、我慢してたんだ。
爆発しそうなこの感情を。
かまってもらえなくて“寂しい”だなんて、そんな可愛いもんじゃない。
私は、独占したくてたまらなかった。
その手も声も、瞳も身体も、意識も…全部。
他の誰かに向けられていることが面白くない。
たとえそれが旧知のナツメであっても、ペットの愛猫であっても許せない。
私だけのものであってほしい。
私だけを見ていてほしい。
「風歩ちゃん…」
そっと伸びてきた掌が、私の頬を包み込むように触れて。
俯き気味になっていた私の顔を自分のほうへと向けさせた。
そして、
「心配しなくても、俺は風歩ちゃんのものだよ。」
私の瞳をまっすぐ見つめながら、この上なく甘く柔く微笑んだ。

