「すご~い!」
あまりにも感動しすぎて、思わず拍手を送ってしまった。
私らしくないけど、仕方ない。
それだけすごかったんだもん。素直に尊敬する。
「ありがとう。」
私の反応に驚きつつも、照れくさそうにはにかむ王子。
花束でも渡したいくらいだよ。うん。
「風歩ちゃんも弾いてみる?」
椅子から立ち上がりながら、王子は私を見た。
「へっ?」
ぼ~っと余韻に浸っていたため、すぐに理解できなかったけど…
「無理無理!」
私に弾けるわけがないでしょうが?
「昔、ピアノ習ってたんだよね?」
…なぜ、それを知っている?
私話したことないよね?
しかも、“習ってた”とか言えるレベルじゃないし。
「習ってたって言うか…くるみにつき合って行ってただけだし…」
いわゆる“グループレッスン”?
楽譜は読めるようになったけど、ピアノの腕前はちっとも上達しなくてさ。
結局、先生ともウマが合わなくてすぐ辞めたんだよね。
「じゃあ、一緒に弾こう?」

