音楽室?
「父が母のために作ったんだよ。ほら、うちの母親、昔ピアノ教室の先生やってたから。」
今は休業中なんだけどね、なんて言いながら、部屋の中へ進んでいく王子。
先生…?
あのほわほわしたお妃様が?
それは初耳だ。
「父親も、趣味で楽器弾いたり音楽聞いたりするから。ここなら、ご近所さんとかに気兼ねなく楽しめるからって」
へぇ…。
よく見れば、大きなステレオも完備されている。
あれはレコード?
レトロだわ。
さすが、王子御一家。
趣味も高尚と言うか…
納得しつつも、物珍しさにきょろきょろしていると…
「ここなら大丈夫だから。」
唐突に、王子が言った。
「ここには誰も来ないから。みんなに邪魔されずに“2人きりで”ゆっくりできるよ。“防音”だし、ね。」
そして、にっこり笑う。
意味不明…
しかも、最後の一言になんとなく身の危険を感じるのは気のせいかな…?
「だからね、風歩ちゃん。
思う存分、甘えていいんだよ?」

