「今帰り?」
戸惑うお姫様を部屋へと招き入れて、親しげな様子で話しかけるダイスケ。
「あ…、今日はお稽古の日だったから…帰りにまっすぐ寄って来たの。」
普通にしゃべれてるじゃん、って思ったけど…
よく考えたら、この2人って幼なじみなんだよね。
さすがに平気か。
「お稽古って、何の?」
「お茶」
「お茶?まだやってんの?花も?」
「うん。萌、とりえとかないし、趣味も特技もないから…」
「いやいや、花とかお茶とか、普通に“特技欄”に書けるから。」
「そうなの?」
お茶にお花…?つまり、茶道と華道だよね?
さすがと言うか、何と言うか…
「学校はどう?少しは慣れた?」
「う…ん、すこ~し?」
「萌ちゃんは可愛いからな~。変な男につきまとわれたり、女の妬み嫉みでイジワルされたりしたら、ちゃんと歩に相談するんだぞ?」
「か…かわいい?と…とんでもない!も…萌なんか」
首を横にぶんぶんと振って、真っ青な顔で全力で否定する萌ちゃん。
この子の場合、謙遜だとかそんなんじゃなくて、本気でカンチガイしてるから怖い。

