「とにかく、そんなわけでナツメにとって、歩はヒーローなんだよ。」
気を取り直して…という感じで、ダイスケは続けた。
「“自分だけの”ヒーロー、な。」
子供だったせいもあって、ナツメの独占欲と執着心がハンパなかったみたいだ。
「でも、歩以外の人間にとっては、扱いづらいことこの上ない。」
うん、わかる。わかる。
「歩には喜んで擦り寄って行くくせに、他の人間が近づくと爪を立てる…まるで猫だよな。
歩にしか懐かない、凶暴で可愛くない猫。」
確かに!そんなイメージだよね。
「浅海と一緒だよ」
……ん?
何か今、聞き捨てならないことを言われたような…
「歩は結局、そういうタイプの人間が大好きなんだよな~。俺にはさっぱり理解できないけど。」
言いながら、心底嫌そうな顔で私を見るダイスケ。
何よ、その目。
なんで、私にまでとばっちりがくるわけ?
「だからまぁ、お前も捨てられないように努力したほうがいいんじゃない?」
「は?」
「似たような“人間”を見つけたら、歩は普通に好きになると思うぞ。」
「はい?」
「“彼女”の座なんて危ういもんだぜ」

