「昔、近所に住んでたんだよ。」
ナツメに関する王子の説明はそれだけ。
それ以上詳しく話してくれることもなく、気づけばナツメがいる日常が当たり前になってしまった。
なんなの、これ?
ナツメなんて、私のことは完全無視だし…
私を置いてきぼりにして、2人でずっと盛り上がっている。
……ムカつく。
とにかくムカつく。
この状況が異常にムカつく!
なんで、放課後まで“3人で”過ごさなきゃいけないわけ?
今日も学校でべったりしてたじゃない。私が昼寝してるときも、2人はずっと話してたでしょ?
少しは離れれば?
って言うか、ここに来たのって私の課題のためだよね?
ナツメも一緒だなんて聞いてないし。許可してないし!
なんで途中で合流しちゃうわけ?
どうせナツメが「行きたい」とか言ったんだろうけど…、なんで断らないかなぁ?
あ~っ。イライラするっ。
思わず、握っていたシャーペンに力が入った。
そんなとき。
「まぁまぁ。そんなにカリカリするなよ、浅海。」
後ろから聞こえた、呆れた声。

