九条 棗(クジョウ ナツメ)。
少し前から、無断で屋上を占拠していたナマイキな1年。
追い出そうとしてもテコでも動かないし、後輩のくせしてタメ口だし、態度デカイし…
おかげで、なぜか私が怒られたり襲われたりするハメになっちゃってさ。
たまったもんじゃない。
これ以上、厄介なことになるのは御免だから、なるべく近づかないように屋上に行くのも我慢してたって言うのにさぁ…
ここ最近、
ナツメはずっと、私の視界に入る距離にいる。
授業中以外は、当たり前みたいに“3年の”教室にいるし。
休み時間も。
屋上のみならず、私の行くところすべてに現れる。
いや…。
正確には、“私の”じゃなくて……
「カリンってば、すっかりナツメを気に入っちゃったみたいだ。」
私の隣で、黒いのとナツメの戯れを嬉しそうに眺めている“王子様”。
ナツメの目当ては、こっち。
まるで、親ガモを追い掛ける子ガモの如く…
四六時中、コイツにくっついて回っている。
あの日。
屋上で“再会”してから、ずっと――

