青春宝箱




石本先生が、同姓同名の
話を振ると、愛美ちゃんは
急に立ちあがって声を荒げた。


「でも、漢字が違います!
 私は愛に実るで愛実です。」
「そうそう、私は恵まれるで恵。」
「同姓同名なんて珍しいわね。
 これも何かの縁じゃない?」


ニコッと石本先生は
微笑みながら問いかけた。
その通りですよ、と
言わんばかりに私は
目をキラキラさせた。


「そうです、二人合わせて
 遠藤めぐみんでーす。」
「きもい。」


キメポーズまでしたところ、
瀬音に、サラッと切られた。


「でもでも、私たちこうして
 出会えたのも、何かの縁だと
 思うんだよねー。だから
 愛美ちゃん、仲良くしようよ!」


蔓延の笑みで、彼女に言う。
すると、彼女はいきなり
机を思い切り叩いて
立ちあがった。


「あなたと仲良くする気なんか
 さらさらないって言ってるでしょ!
 私に話しかけないで!」


初めて愛美ちゃんが
感情的になって、そう言った。
相当怒っているようだ。
こんなに大きな声で怒鳴る
愛美ちゃんを見たのは
初めてだ。
(まだ入学して間もないが。)


唖然としていたら
突然教室のドアが開いた。


「そんな言い方ないでしょ?
 折角仲良くしようって
 言ってくれてるのに。」


そう言いながら大西先生が
入ってきた。彼女は英語の先生で
気が強そうな人。
隣のクラスの担任だ。