魔女のレストランの中は、幾つかの蝋燭の灯りで暖かく照らされていた。
白木の丸テーブルが並べてあって、同じく白木の椅子の背もたれが凝ったデザインになっていて可愛い。
ガヤガヤと、たくさんのお客さんで賑わっていた。
「んぁ?この店、喰いもんの持ち込み出来たっけか?」
入り口近くのテーブルに居た、肌がゴツゴツした岩男みたいな魔物がフォークであたしを指していた。
「うるせぇな。こいつは喰いもんじゃねぇよ!」
「あ?そのガキ、人間だろ?」
「新鮮な人間のガキの肉は絶品らしいな?」
隣のテーブルに居た、鱗肌の魚男が舌なめずりしてあたしを見る。
慌ててダネルの後ろに隠れた。
「……奥の席が空いている。行くぞ」
「う、うん」
ダネルに手を引かれて、店の中を突っ切っていく。一番奥のテーブルが空いていて、壁際の席に座らせてくれた。
ちらちらと、店内の魔物があたしを見ているのが分かる。



