「ったく。まぁ、宿も決まったし、なにか食いに行こうぜ?」
「僕はさっきいただきましたけど」
「飲み物で満足出来るのはお前だけだっての」
「そうですね。ミカさんも空腹でしょうし、行きましょうか」
「……俺は?」
がっくりと肩を落としたカインの襟首をダネルが引っ張って、あたしはウィルに手を引かれながら外に出た。
少し後ろで、カインとダネルがガヤガヤ言っている。
「どこに行くの?」
「魔女のレストランです。多様な種族に対応したメニューですから、きっとミカさんが食べられる物もありますよ」
「そうなんだ、楽しみ!」
ーー魔女のレストランって、どんな所かな?さっきの宿みたいに、素敵だといいなぁ。



