「ん~、ベッドふかふかだ!」
両手で何度かベッドを押さえて、ふかふか度合いを確かめる。
ーーちょっとだけ、寝そべっちゃおうかな。
「待て。ベッドに寝るのは、ベッドの下を確認してからの方がいい」
「へ?ベッドの下?」
「ああ」
ダネルは頷くと、かがみ込んでベッドの下をのぞき込んだ。そのまま腕を突っ込んで、何かを引きずり出した。
「やはり、居たな」
「な、なぁに、その子」
ダネルが引きずり出したのは、あたしの拳より少し大きいぐらいの黒いトゲトゲで、そのトゲの隙間にぎっしりと沢山目が付いていた。目のいーっぱい付いたウニのように見える。
「ベッドの下を住処にしている魔物だ。こいつらは自分が住処にしているベッドに誰かが寝そべるとーー」
そう言いながらトゲトゲの目をつついて刺激するとーーシャキンッ!!
トゲが全部、上向きに鋭く伸びた!
「ーーこうやって、ベッドの下から相手を串刺しにした後、出てきて相手を喰っている。寝る前に、ベッドの下の確認をするように」
注意が終わると、窓を開けてひょいっとトゲトゲを外へ放ってしまった。



