あたしは美味しくない!!



 魔女はウィルの方に振り返ると、すっかり商売モードになってしまった。もう、あたしに見向きもしない。

 ーー……三人が、あたしを食べようとしてる、って言われたんだよね。……そんなはず、ないよね?

「ミカ」

「……あ。なに?」

「大丈夫だ」

「あいつの言うことなんか、気にするなよ!」

 ダネルがあたしの頭をぽんっと撫でて、カインがあたしの背中をぱんっと叩いた。

「部屋が決まりましたよ。行きましょうか」

 ウィルがすっと、あたしの手を取って歩き出した。

 ーー大丈夫。だよね?みんな、こんなに優しいんだもん。

 『気をつけなさい』と、言われた言葉はまだ胸の中に引っかかっているけれど、今は、みんなの優しさを信じることにした。