あたしは美味しくない!!



「あら。こんにちは、おちびさん達。なんのご用?」

 中から出てきたのは、若いお姉さんだった。フリルのたくさんついた薄ピンク色のワンピースを着ていて、長い金髪をツインテールにしている、格好も若い。

 ーー黒い服じゃないのね。イボもホウキもないし。

 想像していた魔女とはかけ離れているけれど、値踏みするような視線がなんだか怖い。

「部屋を一つ、貸していただきたいのですが、空いていますか?」

 ウィルがそう切り出したが、魔女はずっと、あたしを見たままだ。

「な、なんですか?」

 じっと見られて、思わずダネルの後ろに隠れると、魔女は可笑しそうに笑った。

「まぁ。縛りもしないで生き餌を連れてるのは、初めて見たわ」