森を抜けると、すぐに開け放たれた大きな門が見えてくる。
 門をくぐると、レンガ造りの建物が建ち並ぶ、とても賑わった街だった。

「わぁ……!ここが魔女の街?キレイな所ね!ーーわっ」

 辺りを見渡して、慌ててダネルの後ろに隠れた。
 三人のように、人の姿に近い魔物もいるけれど、人間とはかけ離れた姿の魔物も多い。

 ーーしかも、心なしかみんな強面……。

「魔女たちは人間を喰わないが、旅の途中で訪れた魔物の中には人間を食料にしている者もいる。俺たちから離れるな」

「う、うん……そうする」

「まぁ、まずはーーウィルの食料買うか」

「助かります」

「販売機はーーお、あった」

 カインが少し先の道の脇を指差して、そちらに歩いていく。

「自動販売機……?」

 そこにあったのは、どうみてもよくある自動販売機だった。透明な板を隔てて缶ジュースのサンプルが並べてあり、それぞれのサンプルの下にボタンが付いていて、一番下には取り出し口がある。
 見たことのない缶ジュースばかりだということ以外、普通の自動販売機だ。

 ダネルが細長い小さな穴に十円玉みたいな色のコインを何枚か入れたーー銅貨かな?

「えー、と。ウィルがこれで、俺がこれで、ダネルがこれで……ミカ、おまえ何飲む?」

「へ?えーとー……」

 ーーど、どれがなんだか分かんない……。

 缶の絵も見たことないし、文字も日本語ではない。そもそも人間が飲めるものがあるのかな……。