――その子、じゃない。その子たち、だ。

 こちらを見ているのは、一人じゃなかった。

 目が合った子は、茶色い髪に茶色い目の男の子だ。

 その右隣には、黒に近い紫の髪に真っ黒な目の男の子。

 左端には、銀色の髪に薄い青い目の男の子。

 ――三人とも、あたしよりちょっと年上みたい。六年生ぐらいかな?

 三人にじろじろと見られて居心地の悪さを感じつつ、こちらも負けじと三人を観察してみた。

「お前、人間か?」

 真ん中の子が訊いてきた。何を言いだすのかと思ったけど、結構真剣そうな顔をしてた。

「えと……人間、だよ?」

 答えたら答えたで、また不思議そうな顔をされる。

 ――な、なんなのよ……?

「人間が国の外にいるとはな」

 右端の子がひとりごちた。

 ――なんの話してるの?