ーー藁でできた屋根に、ちいさな扉。そこら中で赤や青、黄色の身体をした子鬼たちがせっせと仕事に取り組んでいるのが目に映る。

 向こうの池では、子鬼たちが水着を着て泳ぎながら大きな服を洗っている。

 家より大きなお鍋に、バケツリレーで冷蔵庫から出したスープを運ぶ子鬼たちもいた。

 こちらの子鬼たちは皆しゃんとしたスーツを着て、なにやらリストを見ながら難しい顔をしている。青いネクタイの子鬼が黄色いスーツの子鬼に何か言って、黄色いスーツの子鬼がテクテクと小さな足でかけていった。

 あとを追ってみると、空まで届くほど大きな棚があって、その棚にずらりと日用品が並べられていた。

 どれもこれも、子鬼の何倍もの大きさで、運ぶのが大変そう。黄色いスーツの子鬼は、手に持ったリストと棚を交互に見た後やれやれと首を振って戻っていった。

 あたしは子鬼が走り去るのを見届けたあと、棚に近づいてみた。上から3番目の棚に、あたしのランドセルが並んでいる。

 しばらく棚を見上げて、そろそろ首が痛くなってきた頃ーーうねうねと、突然地面がうねり始めた!!

 ーーうねりに合わせて大きく傾いた棚から、ガタンッと大きな音を立てて特大サイズのランドセルが、あたし目掛けて落ちてくる……!!