あたしは美味しくない!!



「ったく。じゃあちょっと待ってろよ」

 カインは鳥を持って少し離れた場所まで歩く。ーーバキバキと、嫌な音が聞こえてきて、慌てて耳をふさいだ。

 しばらくして、カインが大きな鳥肉を持って戻ってきた。

「ほら、これでいいんだろ?」

「うん。ありがと」

「ん。食わねぇって言ってたし、他の所はもらったぞ」

 ーーえ、もらったって……

「……食べたの?」

「ん?ああ」

「生で!?」

「……おまえ生で食えねぇのか」

「お腹こわしちゃうよ!」

「……人間って、食うのに手間掛かるんだな」

 肩をすくめて困ったように言われてしまう。