あたしは美味しくない!!



「……もういい、戻るぞ。暗くなる」

 あたしが落とした薪を拾い集めてくれる。

「ありがと……あのーー」

 ちらりと、ブヨブヨに目を移す。

「ーーなに、したの?……あのブヨブヨに」

「……食べただけだ」

 ーー食べたって……。

「魂を、だ。俺達悪魔種族の主食だからな」

 ーー悪魔って、魂を食べるんだ……。

「じゃあ、あのブヨブヨ……死んじゃったの?」

「ああ。危うくあんたが喰われるところだがな」

「……はい。……助けてくれて、ありがとう」

「……礼はいい」

 素っ気ない言い方だけど、なんだか耳が赤い気がする。
 これは夕陽のせいじゃないはずだ。絶対。

「照れてる?」

 ズバリ訊くと、面白いほど分かりやすく顔をそむけてしまった。

「……行くぞ」

「あ、待ってよ!」

 スタスタと大股に歩き出すダネルの後を追う。
 あれは絶対に照れているに違いない。