「言われたの・・・・。

椿君に・・・・。」




窓から風が流れる。
さらさらと心地良い風。



「その、才能・・・・俺たちに・・・・」


「俺たちに・・・・・?」




乙姫ちゃんが撫でていた手を止める。





「俺たちに分けてくれって・・・・・


俺たち、そんな才能ないから、分けてくれって・・・・。」





遠くで桜の樹が見える。
葉桜になるほんの少し前だから緑とピンク色が混ざっている。








「断れるわけないよ・・・・・。」




私はまた顔をうずめた。