「なんか、親父と椿さん、重ねて見てしまって。」

「・・・・・。」



椿君は自嘲気味に笑う。



「俺、やめようとしたんだよ。サッカー。やりたいことをできなくなってしまった親父を尻目に俺は、サッカーやっててもいいのか?・・・・って。」


グッと顔をしかめる椿君。重い衝撃に耐えるかのように歯を食いしばっている。



「母さんカナダと日本のハーフで実家カナダの方でさ。19で俺産んで、超怒られたらしい。
そっからカナダと日本行ったり来たりで・・・・・。

だから、あんまり、親に迷惑かけたくなくて。」