囚われ姫～星屑は寵姫となりて蝶姫となる～

お母さんがマナの自慢話を始めたら終わらないことを知っていたので、あたしはその場を後にする。よく知る人間の影を見た方向へ。




「刹那？」
「あ、美莱[ﾐﾗ]ちゃんも来てたの？ドレス可愛い」
「でしょ？親友のマナの結婚式のためだけに下ろした新品よ」




スカイブルーのドレスのマナの親友に、あたしは貼りつけの笑顔を載せる。




実を言えばさっきから吐き気が襲っているのだ。
無理にでも笑っておかないと神崎さんに会った時に、全てを吐き出してしまいそうで怖いから。