「良いのよ。孕ませてくれて。実はね、私あまり長くは生きられないのよ。後5年もすれば技術が間に合うから生きられるって言われてるけど、そこまで生きられるかどうか…。だからマナは大好きな馬泱くんに何度も抱かれて孕んだの。“母さんに孫の顔を見せるんだ”なんて言って」
「勿論出産費はこちら持ちだ。丹姱サンとこよりはないけど、宮星家も金持ちだ。頼む、夕俟。母さんに夢を見せてやってくれ」




そんなはしたない願いをするな、と叫びたくなるのをこらえ、本当にオールカラオケに行くという両親を家から追い出した。




「ご飯食べたらお風呂、入っちゃってね。その間にお皿片しちゃうから」




あたしの絞りだした声が二人の沈黙を破った。