ゆらゆら揺れる神崎さんの目に、あたしはそれを言う決意を固める。
そうよ。
あたしは神崎に出会った瞬間からこうなることを望んでた。




「あたし、汚れてるのよ?夕俟様はヤクザのボスで、あたしは一般人。それでもあたしを愛してくれるの?夕俟様のお胤をあたしにくれるの?」
「刹那は汚れてなんかない。綺麗な俺の“囚われ姫”だ」
「どうしてそれを…?」




訝しむあたしに神崎さんは、誰より美しく微笑んだ。
あたしの吐いたセリフに、勝利を確信したのだろう。




「愛那に聞いた。無理にたけちゃんを忘れろとは言わねぇよ。だから“たけちゃん”の変わりにはなれねぇけど…」