キミが望むのなら



「ゲームセンター?」


「そ?……嫌かな?」


あたしの意見を聞いてくれる悠君。


篤志は絶対に、こんな風にあたしの意見なんて聞いてくれない。


だから、悠君との会話はとても新鮮に思えた。



「行こ。あたしも久しぶりに行ってみたいし」


そう返すと、悠君は優しくあたしに微笑でくれた。



久しぶりに入ったゲームセンター。


本当は好きじゃないんだよね……


ガヤガヤしてるし、チャラい人はたくさんいるし……


たばこの充満しているこの空間には、好んで行きたいとは思わない。



「悠君は、よくゲーセンに来るの?」


「え?」


ガヤガヤしているここでは、あたしの声が聞き取りづらいみたいだ。


「悠君は……っ!」


「ん?」


もう一度大きな声で聞き直そうとすると、突然あたしの顔の近くに耳を寄せてきた悠君。



「もう一回言って?」


「ゆ……う君は、久しぶりに来たの?」


声が震えるのを必死にこらえた。