キミが望むのなら



こんな立派なところを継ぐ悠君。


そんな人に、今のあたしは似合わないって……


それでも……


この恋が大切だった。


本気で、好きになった人だから……



でもあたし、ずっと悠君の足を引っ張っていたんだね……


それなのに、気付きもしないで……


助けてもらってばかりで……


あたし、本当にダメなヤツだ―……



今のあたしは……悠君のそばにいる資格なんてない―……



―――――――――――……


「桃香!」


「悠君っ!」


月のきらめく今日、久しぶりに公園で待ち合わせをした。


「ごめん、遅くなった」


「うぅん、大丈夫。あたしも今、来たから」


「そっか」


いつものベンチに、隣同士に座る。


「バイト今日までお疲れ様」


「あっ、うん。って言っても、何も出来なかったけど」


些細なことしか手伝えなかった。



「え?すごく助かったよ!本当は、このまま続けてほしいくらい」


「っ……」