キミが望むのなら



――ギュッ


「え?」


「店に行くまでね」


「う……ん///」


繋がれた手は、いつもと同じで温かい。


あたしの心の不安に気付いてくれてるのかな……?


やっぱり優しいね。


悠君って……


あたし、やっぱり悠君と離れるなんて―……



そんなことばかりが頭の中を駆け巡って、バイトの時は色々と失敗してしまった。



「はぁ―……」


バイトが終わり、更衣室で深くため息を吐いた。


――ガチャ


「っ……」


その時、更衣室のドアを開けて入ってきた由佳さん。


「あ……お疲れ様です……」


「お疲れ様です……」


そう言うと、小さく頭を下げてそう言ってくれる。


「……」


「……」


お互い無言で着替える。


その雰囲気が、とても居心地悪い。


それに、どうしても昨日の悠君とのことが頭に浮かんでくる……



……早くここから出よう。


急いで着替えて、カバンを肩に掛ける。