「昨日さ、用事あったのに呼び止めてごめんね」
「っ……」
昨日、見てしまったんだ。
悠君に、由佳さんが抱き着いてるところを……
「う……ぅん。あたしこそ、話があったのかもしれないのに、先に帰ってごめん」
「あぁ、大丈夫だよ」
やっぱり、顔見れないよ……
あの後、悠君は由佳さんとどうなったの……？
悠君と由佳さんの関係は何なの……？
聞きたいことはいっぱいあるのに、聞けない。
「桃香、やっぱりなんかあった？」
「え？」
「いつもと様子が違うから……」
――ドキッ
「な、何もないよ？」
やっとのことで見た、悠君の顔。
でもいつもの笑顔を向けられたか、自信がない。
「そっか」
「うん……」
今、これ以上問い詰められても何も言えない。
今のあたしには、何も答えることが出来なそうだ……
