キミが望むのなら



「お願いっ!美樹っ!!」


「……わかった」



しぶしぶ頷いてくれた。


「でもさ、いつまでも隠すわけにはいかないでしょ?」


「ん……。それはあたしにも考えがあるから大丈夫」


「桃香がそう言うなら、もう美樹は何も言わないね」


「ありがとう……美樹」



これ以上何も言わないって言うのが、美樹の優しさ。



「2週間後って、何日」


「26日」


「あれ、その日って……」


「うん……」


その日は、悠君の4代目就任パーティーが行われる日だ。



「じゃあ、見送りとかも悠君微妙だね……」


「そうだね……」


なんて言ったけど、本当はこの日でよかったって思ってるんだ。



でもね、あたしが今考えていることを美樹に言ったら、絶対美樹は悠君に言うから。



だから、ごめんね。美樹。


今だけは、美樹を騙すね……