キミが望むのなら



―――――――――――――……


「えっ!!引っ越し!?」


「……ん」


「え!?いついつ!?いつなのっ!?」


本当に驚いているのか、美樹の話し方がいつものぶりっ子ではない。



「2週間後」


「それで桃香も行くの!?」


「そうだね、行くよ」


「そ、そんなぁ~~」


うるうると瞳が揺れ始め、朝っぱらの教室で泣き出しそうになる。



「だからあっちで進学先決めるんだ」


「え!?じゃあ悠君とは……?」


「そのことでお願いがあるの……」


「お願い……?」


涙目のままの瞳をあたしに向けたまま、首を傾ける美樹。


「引っ越すこと、まだ悠君には言わないでほしいんだ」


「え!?なんで!?」


バンッと座っていた机を叩いて立ち上がった美樹は、注目の的。


「と、とにかく座って……」


そんな美樹をなだめる。



「悠君を縛り付けておくのは嫌なの……。」


「でもっ……」