「凄く好きな人なの!!だからっ!!」
「その人とは付き合っているのか?」
「うんっ!だからね、あたしはここで……」
「桃香、そういうことなら、お前をここに残すことはできない」
え……
「な、なんで!?あたしはここに残って……」
「いい加減にしなさいっ!!」
――ビクッ
「そんなことで将来を決めるのか!?お前は!」
「っ……それは」
仕事人間のお父さんは、厳しいけどこういう風に怒鳴ったことはなかった。
「彼氏と一緒にいたいという気持ちが悪いとは言わない。だけどな、桃香。よく考えなさい」
「……」
「お前がここに残ってしたいことは、彼氏のそばに居ることだけか……?」
なんで……?
なんでダメなの……?
「彼氏のそばに居ることが、どうしてダメなの……?」
「ダメとは言わない。でもお前は、ずっと彼氏のそばに居て、何も目的もなく過ごしていくのか……?」
「それは……」
何も答えられない……



