キミが望むのなら



――ピンポーン


2階にある篤志のアパートの部屋に着き、インターホンを鳴らす。


――ガチャ


「……ん」


寝巻の姿で、ダルそうに首を横に振った。



つまり、中に入れということだろう。


彼女が来たというのに、この反応……



部屋に入ると、ベットは起きたままのせいか、シーツが乱れている。




テーブルにも相変わらず、昨日と同じ空き缶が乱雑に投げられている。



「……学校、行かなかったの?」


「あ?別に関係ないだろ」


……関係ないって。



「……あたし、帰る」


「は!?」


「じゃあね」


「ちょっ!待てよ」


帰ろうとしたあたしの腕を、篤志が強く掴んだ。