「でもこの前、悠が出て行った時に気付いたんです。このままじゃ悠をあたしはさらに傷つけてしまうって……」
「……」
「だから跡継ぎなんていう縛りを解放して、悠には自分の道を歩いてもらおう。そう考えたのにっ……」
っ……
「悠さんは本当に馬鹿ですね……。いいんですか?これからはもっと厳しく指導していきますよ?」
頬に流れる涙を拭きながら、おばあさんがそう言った。
でも、とても嬉しそう。
「いいですよ。ちゃんとおばあ様が手術を受けるなら」
ニヤリと悠君が笑みを浮かべる。
悠君の素顔が見えた。
「ふふっ、そう言われてたら受けざるおえませんね」
「はい、そうしてください」
笑いあう悠君とおばあさんの間には、もう溝なんて見えなかった。
ねぇ、悠君。
あたし、こんな風にちゃんと自分と向き合う悠君を好きになったんだ。
でもね……
――もう一度今のカッコいいキミに惚れそうです……。



