キミが望むのなら



どんどん進んでいく情事に、あたしの体は何も感じない。


まるで心がどこか違うところに行ってしまったかのようだ……


そんなあたしが気に入らないのか……


「チッ」


イラついたように舌打ちをしてくる篤志。


あぁ―……あたしの人生って本当につまらない。


あたし……何をしてるんだろう……



漠然とそんなことを考えながら、抱かれた。




―――――――――――――――……


「……ん」


目が覚めると、そこはさっきと同じベットの上。


体にかけられているシーツをそっと掴み、寝返りをうつ。


そんなあたしの隣で、ぐっすりと眠っている篤志。



「……寝顔は可愛いのに」


ボソッと呟き、篤志を起こさないようにベットから降りた。



真っ暗の部屋の中、月明かりを頼りに自分のバックを探す。



投げ捨てられるようにテーブルの近くにあったカバンから、携帯を取り出した。