キミが望むのなら



『早く来いよ。どれだけ俺を待たせるわけ』


「……ごめ」



――ブチッ


謝罪の言葉を聞くまでもなく、切られた電話。


はぁ―……なんか行きたくなくなった。



彼氏の篤志とは、付き合って2ヶ月ちょっと。



ていうか、知り合ったのも2ヶ月ちょっと前。


篤志との出会いは、美樹に誘われて行った合コンでだった。



見た目通りのチャラさで、あたしに話しかけてきた篤志。


そして、はたまた何を考えたのか、その帰り道ではキスをされた。



『付き合うか』なんて言われて、断る理由も特になかったし、付き合い始めた。



でも今思うと、もう少し考えるべきだったのかもしれない。


チャラい篤志には女友達がたくさんいる。


その割に、あたしが男の子とメールしているだけですぐにキレる。



きっと浮気だってしているのだろう。


彼の携帯が鳴るときは、大半が女の子からの誘いだって分かってる。