キミが望むのなら



それからは気になりすぎて、ほとんど授業なんて頭に入ってこなかった。


こんなこと……初めてだ。






「おいおい、どうしたんだよ。ボーっとして」


「あ……」


「あ……って、もう昼休みだってお前分かってる?」


昼休み……


もうそんな時間か……



――♪~♪~~♪


「あれ?美樹ちゃんだ。電話なんて珍しい~」


そんな能天気な信二の声に、俺はパッと信二を見上げた。


「もしもし?……あっ、うん。居るけど?あぁ―……はいはい」


何だ……?


「はい」


「は?」


俺に差し出された、信二の携帯。


「美樹ちゃんが悠に話あるって」


「は?俺に?」


携帯を受け取り、耳に当てる。