キミが望むのなら



「信二、桃香ちゃんに何かあったのか……?」


「……」


心のどこかにあった不安。


昨日、本当にあのまま桃香ちゃんを彼氏と2人にしてよかったのだろうか……?


俺はあの時、桃香ちゃんの腕を離してよかったのだろうか……?


それが気になっていた。


昨日も公園に来なかった桃香ちゃん。


約束をしてたわけじゃないから……



なんて自分に言い聞かせてたけど……


本当は何かあったんじゃないか……?



「俺も詳しいことは分からないんだけどさ、昨日から連絡が取れないって美樹ちゃんが言ってたから……」


「……は?」


連絡が……取れない?



「あっ、でもさ、よくあるみたいだぞ。桃香ちゃん、携帯を放置していることが多いみたいだから」


「そっ……か」



ドクドクと脈だつ胸は、俺の不安の表れのようだ。


「おっ、そろそろ授業始まるな。じゃあまたな」


「あ、あぁ―……」


あの彼氏……


桃香ちゃんへの執着が凄い気がした。


本当に大丈夫なのか……?


本当に……