キミが望むのなら



―――――――――――――……


「おはよ~」


「……」


「ん?悠、どうした?」


朝から俺の顔を覗き込んでくる信二。


「何かあったか?」


「いや……」


嘘つけ……


昨日からずっと気になってることがあるだろ……


気になってずっと、頭から離れない……


「あ、のさ……」


「ん?」


「……いや、やっぱり何でもない」


……聞けない。


「あ、そういえば桃香ちゃんのことなんだけどさ……」


――ドキッ


「な、なんだ……?」


「昨日、あれからどうしたんだ?」


「は?」


あれからっていうのは、二手に分かれてからのことだろう。


「どうしたって……どういうことだ」


「あ―……別に何もなかったならいいんだけどさ」


様子のおかしい信二。


こいつ、何か隠してる……?