「あっ、それにさ、人一倍気使いのできる子だとも俺は思うよ」


「え?」


「本当はゲームセンター苦手でしょ?」


「っ!?」


あっ、また困らせた……?


「なのに、俺に付き合ってくれたんだよね?」


「いや、その……」



「ありがと」


お礼を言うと、少し揺れた瞳。


そして俺の瞳をジッと見つめてくる……


そんな瞳から、俺も目が反らせられない……



「じゃ、じゃあそろそろ帰ろ」


このままこの瞳を見ていたら、捕らわれて離れられなくなりそうだった。


でもそんな俺の手を、桃ちゃんは離そうとしなかった。


それどころか……強く強く掴まれた。


「……えっ?」


ドキッとした。



「あのっ!あたしっ……」


「なにしてんの?」


その時、ふと聞こえた男の低い声。