少し困ったように俯く桃香ちゃん。


何か考えているようだ。



「やっぱり、忙しい?」


「あっ、ううん!!大丈夫!!」


本当に大丈夫なのか?


誘ったの、迷惑だったかな……?


たまたまゲームセンターが見えたから、そこに入った。


でもこれも失敗だっかもな。


きっと彼女は、こういうところは苦手なんだろう……


入ってすぐに匂った煙草の香りに、少し顔を歪めたからな。



でもすぐに、表情を戻して俺に笑いかける。


とても気使いのできる子だと思った。


どうにかして、楽しいと思わせたかった。


だから普段全くしないUFOキャッチャーで、可愛いぬいぐるみをプレゼントした。


と言っても6回目でやっと取れたんだけど……


俺ってダサっ……


しかも桃香ちゃんは、俺が桃香ちゃんの為に取っているとは全く思ってなかったみたいで、やっと取れたぬいぐるみを渡すと、とても不思議そうな顔をした。



俺からぬいぐるみを受け取ると、ふわふわとぬいぐるみを抱きしめ……そして……



「っ!ありがとっ!!」


「……っ」


無邪気で満面な笑顔を、俺に向けた。