隠し撮りしたりおの姿。


着物姿がとても似合っていて本当に一枚の絵のようだった。


華奢な体。
袂から覗く白く細い手。
襟足から見える艶やかなうなじ。

柔らかい笑みを浮かべ、ふわり舞う雪を見上げるりおが虹色に光り、とてもきれいだった。



満足して携帯をこっそりポケットにしまい、袂を広げているりおの背中をそっと抱き締めた。


「奏さん?」

「………」

「奏さん、どうしたの?」

「……いや、なんでもない」

「変な奏さんね」


くすくす笑うりおを抱き締める。


「冷たい」

「雪を集めてたから」



りおの手が冷たかった。

これ以上冷たくさせたくなくてりおごと包み込む。


「そう、さん?」

「少し……このままでいろ」

「………」