父さんは一流企業の社長。
1年半で小さな会社を一流企業に発展させた実力派の起業家。
その跡継ぎとして、俺を考えていた父さんはまるっきり反対。
絶対に首を縦に振らなかった。
父さんに言っても無駄なら、母さんに言えばいい。
そう考えて、母さんに話しても、簡単には賛成してくれない。
母さんも母さんで仕事が忙しい。
それに、母さんは弁護士だ。
金には五月蠅い。
「母さん頼む!!」
「…無理よ。考え直しなさい」
いつも冷たく言い放すだけだった。
でも、どうしても諦めたくなくて。
俺は決めたことは絶対やりとげなきゃ気が済まない。
だから、必死こいて毎日説得をしていた。
そうやって、過ごしていたある日。
中学を卒業してすぐのことだった。


