「離婚したのに、廉と連絡をとったらしいの。跡取りになる気ないかって」

「初耳なんですけど…」

「言わないわよ。不安にさせたくないんでしょ。もしなるなら、また名古屋に戻るしそれに、保育士の夢を捨てなきゃならない。もちろん、貴女とも会えなくなる」

「え…」


あたしは耳を疑った。
夢を捨てるという言葉に。

「大丈夫よ!あたしがいるから。いる限り…あの子の夢は潰させないから♪だから、安心しなさい」


そう言うと、お母さんはあたしの頭を優しく撫でた。
よしよしっと優しく微笑み、幼い子供をあやすように。


「貴女は変わらず傍にいてあげて♪あの子は気にしてるけど、あたしもあの子には言ってあるから。自分の夢を道を歩めばいいって。だから貴女も一緒にね♪」

「はい…っ」


廉のお母さんがあたしには女神に見えた。
優しく微笑みかける姿が。
1つ1つの言葉が現実味あって。