Dreamers-夢物語-



「貴女弟いるだって?確か高校生よね。少しでもいいから、構っててあげなよ」

「…はい…」


窓の外を寂しそうに見ていたお母さんは、顔をあたしに向ける。
悲しそうな顔をして、あたしにそっと微笑んだ。
あたしは膝の上に置いていた拳に、力をいっぱい入れて握った。


「辛い体験をして勝ち組か、逃げてすぐ転職を考える負け組に成り下がるか…それは、貴女次第よ?」

「自分は絶対に諦めません。母に誓ったんです。なってちゃんと働いて、ちゃんと給料貰って、婆ちゃん達に恩を返すんだって。だから、中途半端なことしたくないんです!」


あたしはお母さんの目を見て、あたしが掲げている目的を話した。
そうすると、お母さんはクスッと笑った。
根性があっていいわね♪と言う。
昔の自分の面影を、彼女は重ねて見たのかもしれない。