Dreamers-夢物語-



「あたしも批判された。弁護士になりたいって言ったとき。頭の悪いあんたじゃ無理だから!って。だけど諦めきれなくて、無理を言って専門行って。でも、何回も何回もいろんな試験落ちて。それでも諦めたくなかったから、必死にがむしゃらになってやったら、見事夢は叶いましたとね♪」


お母さんはそう言うと、窓の外を見た。
遠くを眺めるように。
ずっと遠くを見て。


「でもね、夢を叶えるには代償が必死なの」

「代償?」

「あたしは夢を叶えるが為に、中学生だった弟の面倒を見なかった。両親が主張のとき、あたししかいないのに勉強一筋だったから部屋に籠もりっぱで。あの子が勉強教えてって言っても、構ってって言っても、全部シカトしちゃって」

「どう、なったんですか?弟さんと…?」

「あたしに心開かなくなったよ。今もそう。実家に帰って顔見ても、あたしを睨むだけ。夢を考え過ぎた結果」