Dreamers-夢物語-



「はぁはぁはぁ…っ、廉!…廉…っ」


走りながら、廉の名前を呼んだ。
体力の消耗が激しく、だんだんスピードが落ちてくのが自分でもわかってた。
だけど、止まるのだけはイヤで足を前に前にと踏み出したけど、廉のマンションが目の前に見えた瞬間、あたしは小石に躓いてその場に豪快に転んだ。
その衝撃で、手荷物が離れた。
その中には携帯も入っているのに。


「…いっ!…は…っ!?」


転んですぐに立ち上がろう、上半身を上げたとき、すでにその人影は…………あたしの後ろに立っていた。
息を整えながら、あたしを上から見下ろしていた。
あたしは、怖くて後退りをする。
声を出そうとしても、怖くて恐怖でいっぱいで叫べない。


「…ぁ…い、いやだっ…」


怖がるあたしを見下ろしていた影は、あたしを無理矢理立たせると、壁にあたしを押し付けた。
男は興奮気味で、自分のポケットから何かをガサガサとあさり出す。
見つけだすと、袋みたいのをビリッと破ったのが聞こえた。